外断熱工法は、コンクリートの躯体を外側から断熱材で覆う断熱工法を言います 。 省エネルギー性・耐久性・室内気候の快適性などに大変有効な断熱工法です。
1970年頃の第一次オイルショックを境に、北欧北ヨーロッパ諸国は、化石燃料か らの脱却や省 エネルギーを目的に、建物の外断熱化が進みました。
しかし日本では、断熱材の普及は進みましたが、断熱の取り付け位置は、建物の 内側でした。つまり、内断熱工法が主流なのです。また、外断熱工法と称し脆弱の 断熱材を外側に配置しただけの、まがい物の外側断熱工法も存在します。(断熱厚 さは最低100mm以上、寒冷地では200mm以上必要です。)
外断熱は内側のコンクリート躯体が室温に近づくことで、室温の安定が図れる大 きな特性があります。またコンクリート躯体の蓄熱性が活かされ暖房設備を止めた あとも、室内の温度低下が少なく冬場は安定した室内気候と成ります。
躯体が蓄熱するため、暖房エネルギーを節約でき省エネルギー、低エネルギーに も成ります。
夏場は外側で熱を遮断するため、室内温度は上昇しづらく、室内気候を快適な状 態に保ち やすくなります。一方、内断熱工法は内側に配置された断熱材で、内部からの熱を 遮断しますので、外側にあるコンクリート躯体は、夏冬とも外気温に近づきます。 その結果、コンクリート躯体は日中と朝晩の温度差により膨張・収縮を繰り返しま す。また、冬季間の低温や真夏の日差しで表面温度は70℃~80℃の温度差を繰り返 し受けます。
ダムや橋梁のコンクリートの様に、分厚い躯体では影響がでづらくても、建築物 の壁の様に薄い躯体コンクリートでは、その影響を受けコンクリート劣化が進むこ とに成ります。それは、建物の寿命を縮め築30年前後を境に建て替えが行われる結 果と成っています。