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2.怖い結露

内断熱工法では、室内にある水蒸気が外部に抜ける(熱湿気移動)の際、内断熱材の中を水蒸気が透湿し、外部温度に近い躯体コンクリートと内断熱材の境目付近で露点(水蒸気⇒水)に達し、結露状態に成ります。

そうした状態に、空気中にあるカビの菌が(水分+栄養分+温度)活動し増殖する状況が揃う事に成ります。

また、カビ菌は相対湿度が80%以上の状態が続くと活発に活動を開始し増殖する事が解っています。

つまり結露現象が無い壁の入り隅や、家具の裏、押入れの寝具裏など表面温度が低い部分は相対湿度が上がりますので、80%を境にカビが繁殖する状態に成ります。

勿論、結露に近い高湿度の壁中では活動が顕著に成ります。

現在の住まいの問題とされる結露の殆どは住人側の責任では無くむしろ建物側(内断熱)に問題が有るのです。

内断熱マンションの押入れ上部壁表面のカビ(札幌市内)
 
内断熱マンションの住戸玄関ドア際の壁表面のカビ(札幌市内)
 

スウェーデンでは、シックハウスについて、建材からの揮発性有機化合物VOC発生だけを言うのではなく、カビ発生する事もシックハウスと呼んでいます。

カビが、ある種のVOCを発生させる事が最近日本のTVで放映されました。

日本でも、もっとカビに対する危険性を警告すべきで、公共施設や病院など不特定多数の人達が多く利用する建物では、結露=カビを考えると今後問題が表面化するおそれが有ります。

その結露現象の多く発生する内断熱工法に対して、外断熱工法はどでしょうか。

外断熱工法は、断熱材の特徴を十分活用しコンクリートの特性(蓄熱、保温性)を生かした工法です。

外断熱工法(通気層工法)の湿気移動と排湿の概念図
 

外断熱工法では外側に向かって移動する水蒸気に、透湿抵抗が大きいコンクリートの壁があるため室内からの多くの水蒸気はそこで堰き止められます。

しかも、コンクリートの温度は室内温度に同調しているため、表面温度が高く露点温度にならないのでその部分では結露は起こりません。

また、躯体コンクリートを通過した残りの水蒸気は、透湿抵抗が低い断熱材を通過し通気層工法の場合は、通気層から外部へ、また湿式工法の場合は、断熱材の仕上げ面(特殊な材料です)から外部へ放出されます。

外断熱工法は、室内湿気を外部に逃がす過程で、露点温度(水蒸気→液体化)にしないで、外部に放出する工法と言えます。

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パッシブハウス・無暖房住宅・外断熱の今川建築設計監理事務所: 2006年08月15日|ページの 先頭へ|